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八保神社 (兵庫県赤穂郡上郡町八保乙)

社号八保神社
読みやほ
通称
旧呼称梵天宮 等
鎮座地兵庫県赤穂郡上郡町八保乙
旧国郡播磨国赤穂郡岡村
御祭神豊受姫命、素戔嗚命、誉田別命
社格旧県社
例祭10月10日

 

八保神社の概要

兵庫県赤穂郡上郡町八保乙に鎮座する式内社です。

当社の創建・由緒は詳らかでありません。

江戸時代に龍門寺の僧侶から略縁起が奉納されたと伝えられているものの、嘉永年間(1848年~1853年)に火災に遭って資料を焼失したといい、件の略縁起も現存せず、当社の詳細を明らかにするのは難しくなっています。

江戸時代の地誌『播磨鑑』によれば、かつて境内に垣を連ねて稲を掛けたので「八束」を略して「八穂」の神社であるという、と記しています。

また元禄年間(1688年~1704年)に現在地に遷座したといい、旧地ははっきりしないものの『播磨鑑』の時代には既に田地となっていたようです。

江戸時代以前の当社は「梵天宮」と称し、インドの神ブラフマーが仏教に取り入れられた神「梵天」を祀っていました。

現在の御祭神は「豊受姫命」「素戔嗚命」「誉田別命」。一般に梵天(大梵天王)は神仏分離の際に高皇産霊神に替えて祀る例が多かったものの、当社では現在祀っていないようです。

恐らく上記のように当社を稲、つまり作物に関係するものとして豊受姫命を祀るようになったのでしょう。

このように式内社とはいえ当社についてはっきりしていることはかなり少ないものの、旧・赤穂郡内では有力な神社の一つとなっています。

 

境内の様子

八保神社

当社の鎮座地の地名は八保乙と称するものの、これは明治十年(1877年)の村の合併により成立したもので、それ以前は岡村と称していました。

当社境内はブロック塀で囲われており、入口には二基の鳥居が南向きに並んでいます。

 

鳥居をくぐって左側(西側)に手水舎が建っており、手水鉢と井戸が配置されています。

 

八保神社

八保神社

鳥居をくぐって正面奥に社殿が南向きに並んでいます。

拝殿は銅板葺の平入入母屋造に唐破風と小さな千鳥破風の向拝の付いた割拝殿。

 

拝殿前に配置されている狛犬。

 

拝殿後方に銅板葺の妻入切妻造で側面に庇の付いた幣殿が建っています。

この幣殿の正面には鈴の緒と賽銭箱が設置されており、機能的にはこちらが拝殿となっています。

 

幣殿の後方の一段高いところに銅板葺の一間社入母屋造に向拝の付いた本殿が建っています。

 

本社本殿の左側(西側)に境内社が南向きに鎮座。社名・祭神は不明ながら、案内板に境内社として「四柱神社」と「天之相魂神社」の名が見え、恐らくそのどちらかなのでしょう。

社殿はトタン屋根の流見世棚造。

 

本社本殿の右側(東側)にも境内社が南向きに鎮座。やはり社名・祭神は不明ながら、「四柱神社」と「天之相魂神社」のどちらかなのでしょう。

社殿はトタン屋根の二間社流見世棚造。

 

本社社殿の右側(東側)にも境内社が南向きに鎮座。恐らくこちらは「稲荷神社」でしょう。

三基の朱鳥居が並び、奥に玉垣に囲まれて銅板葺の流見世棚造の社殿が建っています。

 

上記の稲荷神社の右側(東側)に瓢箪型の涸れた池があり、橋を渡った先にも境内社が南向きに鎮座。社名・祭神は不明。

社殿は銅板葺の流見世棚造。

 

当社周辺の様子。山に囲まれた長閑な田園地帯となっています。

 

タマ姫
江戸時代は梵天宮って呼ばれてたんだ!ところで梵天って何?
仏教の神様の一柱よ。元々はインドの神ブラフマーで、これが仏教に取り入れられたの。
トヨ姫

 

由緒

案内板

延喜式内 八保神社

 

地図

兵庫県赤穂郡上郡町八保乙

 

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