社号 | 天皇神社 |
読み | てんのう |
通称 | |
旧呼称 | 牛頭天皇社、天神社(?)、天満宮(?) 等 |
鎮座地 | 奈良県天理市備前町 |
旧国郡 | 大和国山辺郡備前村 |
御祭神 | 素盞嗚尊 |
社格 | |
例祭 |
天皇神社の概要
奈良県天理市備前町に鎮座する神社です。
当社は文永九年(1272年)の創建と伝えられています。
当社の御祭神は「素盞嗚尊」。江戸時代以前は「牛頭天王」を祀っており、明治の神仏分離により神道における同格の神に変更されました。
当社の社名「天皇」も皇室の天皇でなく「牛頭天王」に因むものです。
その他の詳細な由緒は不明。祇園信仰の高まりを受けて厄除けの神として勧請されたのかもしれません。
当社の本殿は、周防国上野寺の頼秀なる僧侶が願主となって応永三年(1396年)に造営したもので、室町時代初期の貴重な建築として国指定重要文化財となっています。
また本殿内には「薬師如来」「大梵天」「牛頭天王」「天満天神」の神像を安置しているといい、神仏混淆の神社だったことが窺われます。
境内の様子
当社は備前地区の集落東側、長柄運動公園のすぐ西方に鎮座しています。
境内入口に鳥居が西向きに建っています。
鳥居をくぐって右側(南側)に手水鉢が置かれています。導水施設は無く現在は使用されていないようです。
この手水鉢には「天神社」と刻まれています。かつての当社の呼称の一つだったのでしょうか。
鳥居をくぐって正面奥に社殿が西向きに並んでいます。
拝殿は桟瓦葺の平入入母屋造の割拝殿。
割拝殿内の左右の部屋の様子。
割拝殿の通路を抜けると屋根付きの参道となっており、奥の玉垣内に本殿が建っています。
本殿前に配置されている狛犬。
本殿は檜皮葺の一間社春日造に朱塗りを施した美しい建築。
応永三年(1396年)に建立で、室町時代初期の貴重な建築として国指定重要文化財となっています。
周防国上野寺の頼秀なる僧侶が諸国巡歴中に当社を訪れた際、その荒廃を嘆いて自ら願主となって建立したとされています。
本社本殿の左側(北側)に「菅原神社」が西向きに鎮座。
覆屋の中に春日見世棚造の社殿が納められています。
本社本殿の右側(南側)に「厳島神社」が西向きに鎮座。
社殿は銅板葺の春日見世棚造で、全体に朱が施された非常に鮮やかなもの。
本社拝殿前の右側(北側)に「塞神神社」が南向きに鎮座。
社殿は銅板葺の春日見世棚造。他の境内社よりもしっかりした造りです。
その他、本社社殿左側(南側)には神庫が、境内南側には社務所が建っています。これらもそこそこ年季が感じられるもの。
当社境内に配置されている灯籠。「牛頭天皇社」の他に「天満宮」と刻まれたものもあります。
明治の神社整理で他所から持ってきたものである可能性がありますが、本社本殿に天満天神の神像が安置されていることから、当社も天満宮と呼ばれたのかもしれません。
由緒
案内板
天皇神社(本殿 重要文化財)
地図