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真浦神社 (兵庫県姫路市家島町真浦)

社号真浦神社
読みまうら
通称
旧呼称荒神社 等
鎮座地兵庫県姫路市家島町真浦
旧国郡播磨国揖東郡家島
御祭神奥津彦神、奥津姫神
社格
例祭11月2日、3日

 

真浦神社の概要

兵庫県姫路市家島町真浦に鎮座する神社です。

当社の創建・由緒は詳らかでありません。

江戸時代以前は「荒神社」と呼ばれ、現在も荒神である「奥津彦神」「奥津姫神」を祭神としています。

『神社覈録』には「或人云」として式内社「家嶋神社」は当社ではないかとする説を紹介しているものの、同書でその説を退けており、現在も一般的には式内論社とされていません。(詳細は「宮浦神社」の記事を参照)

現在、当社周辺は家島の玄関口となる真浦港が整備されており、周辺も公共施設やビルが建ち並ぶなど家島の中心として栄えています。

しかし江戸時代の地誌『播州名所巡覧図会』の家島の挿絵を見ると、湾奥である当地付近には人家がなく、そこから北にあたる入江(現在「網場」と呼ばれている辺りか?)に真浦の集落が描かれています。

従って、もし当社が古くからこの地に鎮座していたとすれば、恐らく往時は集落の外れにあったことになるでしょう。

古くより家島の中心となる神社は宮地区の「宮浦神社」の方だったと思われ、江戸時代には式内社「家嶋神社」も宮浦神社に比定する説が主流でした。

現在は式内社「家嶋神社」は家島北東端の天神鼻に鎮座する「家島神社」とされており、由緒ある神社と見做されています。

しかし当社の鎮座地は上述のように現在では家島の中心となっており、当社もまた家島において大きな存在感を放っています。

 

境内の様子

真浦神社

当社は家島の玄関口となっている真浦港から北西へ少し進んだところに鎮座しています。

境内は狭く、入口には鳥居が南向きに建っています。

鳥居や玉垣、灯籠、石畳など、いずれも新しさの感じられるものでよく整備されています。

当社の立地は城山の南麓にあたるため境内背後は急斜面となっており、室町時代にはその山頂に苦瓜助五郎本道なる人物が城を築いたと言われています。

 

鳥居をくぐって右側(東側)に手水舎が建っています。

 

真浦神社

鳥居をくぐってすぐ正面奥に社殿が南向きに並んでおり、その手前には狛犬と注連柱が配置されています。

拝殿は銅板葺の平入入母屋造に軒唐破風付きの向拝と千鳥破風の付いたもの。

平成十六年(2004年)の案内板に、旧社殿は弘化五年(1848年)に建立されたものだったが老朽化によりこの度改築した旨を記しており、社殿等はこの時に建立したもののようです。

 

拝殿前に配置されている狛犬。花崗岩製の新しいもの。

拝殿後方に本殿が建っているものの立入可能な範囲から見ることは出来ません。航空写真を見る限りでは流造のようです。

また案内板によれば境内社が記されているものの、これも立入可能な範囲では見当たりません。奥の本殿の建つ区画に鎮座しているのかもしれません。

境内社の内訳は次の通り。

  • 恵美酒社」(御祭神「蛭子大神」)
  • 三社宮
    • 神明社」(御祭神「天照皇大神」)
    • 金刀比羅宮」(御祭神「大己貴神」)
    • 住吉社」(御祭神「底筒男神」)

 

当社周辺の様子

当社周辺は家島の玄関口である真浦港が整備されており、公共施設や小規模なビル群があるなど家島の中心地となっています。

しかし江戸時代以前のこの地は『播州名所巡覧図会』の挿絵を見る限り何も無いところだったようです。

 

真浦港のすぐ北方に「どんがめっさん」と呼ばれる岩石があります。

伝承では昔、ウミガメに乗って釣りをする翁がおり、翁が難波への水先案内を頼まれたところ多忙で帰ることが出来ず、翁の帰りを長年待ち続けたウミガメは遂に石になってしまったと言われています。

明らかに神武東征における椎根津彦の説話を元にしているものと言え、古くからそのように伝えられていたかは慎重に考えるべきところでしょう。

家島神社」の由緒として神武天皇と関わる伝承が江戸時代以前に見えないこと、更には上記のどんがめっさん自体の伝承も管見では江戸時代の記録に見えないことを鑑みると、どんがめっさんも付会があると見るべきかもしれません。

とはいえ記録されることのなかった亀に関する何らかの伝承が古くからあったことは勿論十分に考え得るものでしょう。

石碑

どんがめっさん

 

どんがめっさんから崖沿いの細い道を北東へ少し進んだところに「真浦海神社」が鎮座。

コンクリートの階段を上っていくと崖上の僅かな空間に銅板葺の一間社流造の社殿が建っています。

社名から海神もしくは龍神を祀ると思われるものの、祭神・由緒等は不明。

兵庫県神社庁HPによれば真浦神社の境外末社に海神社があるといい、恐らくこれがその神社でしょう。

宮地区にも宮浦神社の境外末社として「海神社」があり、関連があるのかもしれません。

 

タマ姫
家島でこの辺りが一番栄えてる感じ!
でも江戸時代以前はこの辺りは集落の外れで何も無かったみたいね。
トヨ姫

 

由緒

案内板

真浦神社

 

地図

兵庫県姫路市家島町真浦

 

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