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崇道天皇社 (奈良県奈良市西紀寺町)

社号崇道天皇社
読みすどうてんのうしゃ
通称
旧呼称紀寺天王
鎮座地奈良県奈良市西紀寺町
旧国郡大和国添上郡紀寺村
御祭神早良親王
社格旧村社
例祭10月15日

 

崇道天皇社の概要

奈良県奈良市西紀寺町に鎮座する神社です。

社伝によれば、大同元年(806年)に「早良親王(崇道天皇)」を祀ったのが当社の創建と伝えられています。

「早良親王」は桓武天皇の弟で、桓武天皇が即位した際に立太子した人物です。

しかし長岡京遷都に関して造長岡宮使の長官だった藤原種継が暗殺され、この事件に連座して早良親王は廃太子となり、乙訓寺に幽閉。その際に早良親王は無実を訴えるべく絶食を敢行し、淡路島へ配流される途中に河内国の「高瀬神社」(大阪府守口市馬場町)付近で亡くなります。

その後、関係者の病死や疫病、洪水などが相次いで発生し、これらの現象は早良親王の祟りであるとされたため、早良親王を慰めるべく、「崇道天皇」の追諡、祭祀による慰撫、陵墓の改葬などが行われました。

このように、天変地異や災厄を非業の死を遂げた人物の怨霊の仕業として、これを鎮めることで平穏を願う信仰を御霊信仰と呼びます。

菅原道真を祀る天満宮は御霊信仰の有名な例ですが、早良親王は御霊信仰の中でもかなり早い例で、国家的に怨霊を鎮める宮中行事である「御霊会」の第一回目にも早良親王が含まれています。

その後、早良親王の怨霊を鎮めるため、京都市左京区上高野西明寺山に「崇道神社」、当社の北西400mほどの薬師堂町に「御霊神社」、早良親王の陵墓である八島陵に「崇道天皇社」(現在は「嶋田神社」(八島町)に合祀)など次々に早良親王を祀る神社が創建されました。

このように御霊信仰の一環として早良親王の祟りが恐れられ、その御霊が各地で祀られていった中で当社もまた創建されたのでしょう。

当社はかつて当地にあった紀氏の氏寺「紀寺」(現在は当社南方に隣接して「璉珹寺」が残る)の鎮守だったとも言われています。

当社の本殿は「春日大社」(春日野町)摂社の「若宮神社」の本殿を元和九年(1623年)に譲り受けて移築したもので、桃山時代の建立と推定され、貴重な建築として国指定重要文化財となっています。

 

境内の様子

崇道天皇社 奈良市

当社は興福寺の南方約1km、西紀寺町に鎮座しています。

境内入口には朱塗りの一の鳥居が西向きに建ち、石畳の参道がまっすぐ伸びています。

 

一の鳥居をくぐって参道を進んでいくと途中に神門が西向きに建っています。

神門は本瓦葺の平入切妻造の薬医門。袖塀も設けられ、奥の空間とを仕切っています。

 

神門をくぐった様子。参道は引き続き奥へ伸びています。

 

参道途中の右側(南側)に手水舎が建っています。

 

手水舎の反対側、参道の左側(北側)に「祓戸社」が南向きに鎮座。御祭神は「瀬織津姫神」「速開都姫神」「気吹戸主神」「速須佐良姫神」。

社殿は銅板葺の流見世棚造で朱塗りの施されたもの。

奈良県の主要な神社では参道上に祓戸神社を設け、本社参拝前に参拝することで穢れを祓う風習が見られます。当社でもそうなのでしょう。

 

祓戸社の左側(西側)に「祖霊殿」と称する建物が建っています。その名の通り神社関係者の祖霊を祀っていると思われるものの、境内社扱いなのかは不明。

建物は本瓦葺の宝形造。

 

さらに参道の奥へ進むと朱塗りの二の鳥居が西向きに建っています。

 

二の鳥居の両脇に配置されている狛犬。

 

崇道天皇社 奈良市

二の鳥居をくぐると左側(北側)に社殿が南向きに並んでいます。

拝殿は桟瓦葺の妻入入母屋造で、手前側に銅板葺の唐破風の庇が設けられています。

 

拝殿後方、やや見えにくいものの、塀に囲われて檜皮葺の一間社春日造に朱塗りの施された本殿が建っています。

この本殿は「春日大社」(春日野町)摂社の「若宮神社」の本殿を元和九年(1623年)に譲り受けて移築したもので、桃山時代の建立と推定され、貴重な建築として国指定重要文化財となっています。

なお、明治年間まで社殿は二の鳥居をくぐってすぐ奥に西向きに建っていたようです。

 

現在、二の鳥居をくぐって正面奥(本社の手前右側)には神庫が建っています。

 

神庫の右側(南側)に隣接して「天満宮」が西向きに鎮座。御祭神は「菅原道真公

朱鳥居が建ち、奥にトタン屋根の春日見世棚造で朱塗りの施された社殿が建っています。

 

天満宮の右側(南側)に隣接して「稲荷社」が西向きに鎮座。御祭神は「宇迦之御魂神」。

朱鳥居が建ち、奥にトタン屋根の流見世棚造で朱塗りの施された社殿が建っています。

 

稲荷社の右側(南側)、本社社殿と相対するように神楽殿が建っています。

本瓦葺の平入切妻造で、安政二年(1855年)に再建されたもの。

 

タマヨリ姫
住宅地に古い建物が残ってるのは流石奈良って感じだね!
そうね。春日大社で使われていた社殿を譲り受けたものがしばしば残っていて、「春日移し」と呼ばれているわ。
トヨタマ姫

 

由緒

案内板

由緒

プレート

重要文化財

崇道天皇社本殿 一棟

 

地図

奈良県奈良市西紀寺町

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