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神明神社 (奈良県桜井市下居)

社号神明神社
読みしんめい
通称
旧呼称
鎮座地奈良県桜井市下居
旧国郡大和国十市郡下居村
御祭神天照皇大御神
社格式内論社
例祭9月20日

 

神明神社の概要

奈良県桜井市下居に鎮座する神社です。下地区に鎮座する「下居神社」と共に式内社「下居神社」の論社となっています。

 

式内社「下居神社」について、久安五年(1149年)に「多坐彌志理都比古神社」の禰宜が国司に提出した『多神宮注進状』に言及があり、それによれば「下居神社」の神は「神八井耳命」で、これは河内国志貴郷の「縣主神社」と同体異名である、と記しています。

河内国志貴郷の「縣主神社」とは河内国志紀郡の式内社「志貴縣主神社」のことで、現在は大阪府藤井寺市惣社に鎮座しています。

そして「下居神社」の御祭神であるという「神八井耳命」は神武天皇の皇子で、多氏や志紀県主氏などの祖にあたります。

同書には式内社「下居神社」について「多坐彌志理都比古神社」の摂社・末社である旨は記されていませんが、同社を奉斎した多氏に関係する神社として記載したものと考えられます。

 

また室町時代の文書『和州五部神社神名帳大略注解』(通称『五郡神社記』)には式内社「下居神社」は意富郷意富村平森に鎮座するとあり、これは現在の田原本町多にあたり、「多坐彌志理都比古神社」の近隣ということになります。

これを受けて大正三年(1914年)に刊行の地誌『大和志料』は多地区に鎮座すべきであろうとして下地区に鎮座する「下居神社」への比定に疑念を示しています(当社への言及は無し)。

またカムヤイミミは弟であるカムヌナカワミミ(後の綏靖天皇)に皇位を譲ったことから、「下居(オリヰ)」とは「降居」の意で皇居から地方へ退去したことを意味したのであろうとしています。

 

これに対して江戸時代中期の地誌『大和志』は式内社「下居神社」を現在の下地区に鎮座する「下居神社」に比定し、一方で度会延経の『神名帳考証』や伴信友の『神名帳考証土代』などは当社に比定しています。

両神社への比定は地名「下居」があること(特に当社はその「下居」にある)が大きな根拠となっているものと思われます。

また正史の一つ『文徳実録』の天安元年(857年)八月十六日の条に大和国の「椋橋下居神」が従五位上の神階を授かっていることが見え、この「椋橋」とは当地に隣接する「倉橋」と考えられることから、これも有力な根拠となっています。

「多坐彌志理都比古神社」との関係性や『五郡神社記』との関連性から田原本町多に求めるべきとする説も説得力がある一方、当地に「下居」「倉橋」の地名があることは非常に有力な根拠と言え、式内社をこちらに求めることも大きな説得力を持っています。

現状では田原本町多にはそれらしき神社が見えないため、当社もしくは下地区の「下居神社」が有力な論社となっています。

 

下居地区は下地区の「下居神社」の氏子となっており、式内社「下居神社」を当社とするか下地区の「下居神社」とするかは地名を重視するか神社の規模を重視するかの違いといったところでしょう。

当社は今にも忘れられそうな山中の小さな神社となっており、現在は特に式内社を主張していないようです。

しかし当社を式内社とする説も根強く、時代と共に新興の神社が隆盛する一方で既存の信仰が衰える例は多々あることから、当社が式内社であった可能性は十分あるでしょう。

 

境内の様子

神明神社 桜井市 下居

当社は下居地区の集落背後の山腹に鎮座しており、山道を登っていったところに当社の鳥居が南向きに建っています。

非常にわかりにくい場所にあるため、当社への行き方は後に詳述します。

 

鳥居をくぐって右側(南側)に手水鉢が置かれています。

 

神明神社 桜井市 下居

神明神社 桜井市 下居

鳥居をくぐって左側(西側)の斜面上、石段の上に社殿が東向きに並んでいます。

拝殿は平入切妻造(桟瓦葺?)。

 

拝殿前に配置されている狛犬。砂岩製です。

 

拝殿後方、崖の上の透塀の奥に本殿が建ってますが外からは殆ど見ることができません。

資料によれば本殿は春日造のようです。

 

神明神社への行き方

当社は岡の中腹に鎮座するものの、麓からの道は何ら神社の参道であることを示すものは無く、極めてわかりにくいのでここで行き方を紹介します。

 

下居地区の集落の中央やや北寄りのところに丘の上へと続く西方への小径が分岐しており、ここを進んでいきます。

下にGoogleストリートビューを貼り付けておきます。

 

この道を進み右へ曲がると民家の脇道となり、さらに進んでいきます。

次第に山道となっていき、うねうねと左右へ曲がりながら進んでいくと当社の鳥居が見えてきます。

特に難しい道ではありませんが、やや荒れているので念のため注意した方が良いでしょう。

 

タマヨリ姫
もう一方の論社と比べると小さな神社で今にも忘れられそうだね。
でも案外こういう神社が式内社だったりもするものよ。わからないけれどね。
トヨタマ姫

 

地図

奈良県桜井市下居

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