原田神社 （大阪府豊中市中桜塚）

所在地 中桜塚一丁目二番一八号
年代 貞享五年（一六八八）
石材 花崗岩
法量 高さ五・七m（中心）、幅七・七二七m（笠石長さ）

この鳥居は、伊勢街道に面した原田神社東側正面に建っています。鳥居としてはもっとも類例の多い明神鳥居の形式をとっています。むかって右の柱に「貞享五年」、左の柱に「戊辰八月吉日」の銘が刻まれており、このときに建てられたことがわかります。

この鳥居が建立された時の記録として、貞享四年（一六八七）、和泉屋甚兵衛が御庄屋中に送った「御鳥居之注文」（『原田村野口家文書』）が残っています。これによると、鳥居用に加工された石材の大きさが一覧で示され、和泉屋が鳥居用の石材代・広芝（現吹田市広芝町）までの運送料・石屋による設置料の合計一貫一六〇目を計上したことが記されています。また鳥居を建立した当地の御庄屋中は、広芝から原田神社までの運賃と、設置に必要な材木屋人件費を負担していたことがわかります。石材の設計や運搬ルート、設置費用など、江戸時代の鳥居の建立過程を知る上で貴重な資料となっています。

このほかにも鳥居の図面や「鳥居寸法大型覚」などがあり、鳥居とともに多くの記録がそろって残ることは珍しく、当地の人々の原田神社への篤い信仰を裏付けています。

指定年月日 平成五年十二月九日

原田神社の創建は、社伝によると奈良時代以前、天武天皇の時代にさかのぼるといわれています。

室町時代には将軍足利家より神領として西牧六車庄の寄進をうけ、東は豊嶋郡榎坂村（現吹田市江坂）から、西は川辺郡富松村（現尼崎市富松）にわたる七十二か村の氏神として栄えました。

その後天正六年（一五七八）には、荒木村重の兵火によって社殿や宝物類を焼失、慶安五年（一六五二）に再興されました。

もとは祇園社とも牛頭天王社とも呼ばれていましたが、貞享五年（一六八八）に原田大明神の神号を得て現在の社名となりました。

この本殿は棟札により慶安五年（一六五二）の建立が明らかで、五間社流造の形式をもち、正面に千鳥破風および軒唐破風がみられ、屋根は檜皮葺であります。

材料工法ともに上質な江戸時代前期の建築で、全国的にも類例の少ない五間社流造の形式をもち、虹梁の配置や身舎とのつなぎ方、妻飾などに配した邪鬼など細部の形式意匠にも特色があり貴重な文化財であります。

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この本殿は、三間社流造の形式になり、屋根は檜皮葺で桁行四・一〇m、梁間は身舎部で一・五四m、庇部で一・〇八mの規模をもち、その基本的な構成は本社本殿と同様となっています。

身舎正面は五対七対五の割合で柱が配置され、格子戸を脇間にはめ殺し、中間は引き違いにたて、正側三面は高欄付の縁がめぐっており、高欄の大部分および縁下などの部材は、建立当時から新しくとりかわっていますが、その他の大部分は、当初材が現在も良く保たれています。また、もとは極彩色が施してあり、その痕跡がいまも僅かに残っています。

建立された時代を明らかにす資料はありませんが、少なくとも寛永を下だることはなく、十七世紀初頭の建築とみられています。

しかし、木鼻の形や虹梁絵様など細部形式には桃山時代の特色をもつ様式がみられ、建立年代が桃山時代まで遡る可能性もあります。

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大石塚古墳は4世紀の中頃（約1650年前）に造られた古墳です。上から見ると円と台形が合体したような形をしたもので、円ｎほうを後円部、台形のほうを前方部と呼び、合わせて前方後円墳と呼んでいます。横から見ると頂上部までの間に段が2か所あり、そこに埴輪を立て並べています。1段目は1本づつ1.5m間隔で、2段目は3本1組を1m間隔で配列しています。また、これらの埴輪の周囲平坦面には玉砂利を敷き詰めています。これらの各段の斜面には葺石といって拳大の河原石を全面に葺いています。このようにこの古墳は埴輪と葺石で飾られていました。全長は70m以上、後円部の高さは4m程度です。

また古墳の東側、この建物を含む周囲には堀が巡っていることが確認され、その外側には埴輪を棺に転用した墓が一定の間隔をおくように配置されていることも分かりました。これらは大石塚古墳を構成している一部分であり、古墳全体と同様に大切なものであることから保存を計り、建物は遺跡を壊さないように盛り土をして、その上に建築されています。

昭和三十一年五月十五日指定

南の大石塚と北の小石塚とはいずれも前方後円墳で、それぞれの主軸をほゝ゛南北の一直線上におき、相近接して営まれています。これらはその位置的関係によって北石塚、南石塚とも俗称されています。その所在地一帯は、現在のように住宅地となるまでは原田神社の社地で、この両墳を中心に、今は失われた御位塚古墳その他多くの古墳が築かれた山林の一角でしたが、今は主墳であった両墳をのこすのみとなったものです。大石塚古墳は復原長径約90m、後円部推定径48m、同現在高6m、前方部現在高2.8mを測るものですが、小石塚古墳はその名のようにやや小規模で崩れが著しいため昭和55年に国・府の補助により現形に修復保存の工事を行なったものです。大石塚古墳は墳丘に河原石を葺石に用い、石塚の呼称の起りを示唆しています。また円筒埴輪をめぐらし周濠を有しておりましたが、現在その周濠は大石塚古墳前方部西側にその跡と認められる凹地をのこしています。小石塚古墳はその東側に周濠跡が確認されています。

両墳はその形式からみて、ともに古墳時代前期末の営造と認められます。この大石塚小石塚古墳を含む三十六塚とよばれた桜塚古墳群は、大阪府北部における最大のものであって、この地域にこの古墳群の存在したことは古代におけるその重要性を明証するものです。

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原田神社の創建については、詳らかでないが、社記によれば古くは祇園神祠と称し白鳳十二年（西暦六八四年）に天武天皇が勅祭をもって神宝、神鏡ならびに獅子頭を納められたこと、また、同じ御代に悪疫が流行した際「妖邪退除」（病をおこす邪気を祓いのける）の詔勅を下されて、当社に祈願されたことがしるされています。

以来、皇族、武家の崇敬があつく、時代がくだるにつれて社頭も壮大を極め、最盛期には、東は吹田市榎阪町から西は尼崎市富松まで、七十二ヶ村にわたる氏地の産土神（氏神）として氏子の尊崇をあつめ、西牧社と称しました。

また、足利氏からは神領地を寄進されるなど社頭は、壮麗であったが、天正年間の兵火に焼失したといわれる。現在の社殿は慶安五年（西暦一六五二年）になって再建されました。現在、本殿ならびに摂社十二神社本殿は、豊中市指定文化財建造物となっております。

また、毎年十月九日の晩に行なう獅子神事は、豊中市指定文化財民俗資料になっております。

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この祭の起りは明らかではありませんが、社伝によると天武十二年（六八四）悪疫退除のため、獅子頭を奉じて天養二年（一一四五）まで数百年にわたって各地を回ったと伝えられています。

明治以後、毎年九月二十六日を御出始式とし、その日申の正刻に祭事を行い、九月三十日獅子頭を神輿で御旅所に遷し、十月一日本神社前の舞台で獅子の舞が行われます。

舞には、起舞（たつまい）・臥舞（ねまい）・早舞などがあり、この日は臥舞が行われます。次で、十月二日から八日まで各氏子地区（十二地区）の順祭が行われます。

十月九日夕刻本神社境内で行われる宵宮祭は、各氏子地区より持寄られた神輿や氏子達に囲まれ、獅子頭が様々な舞を舞います。

古式をふまえ、素朴さと華やかさを織りまぜながら行われる獅子の舞に、現在も脈々と生き続けている民俗的エネルギーがうかがえます。

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