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飛鳥田神社 (京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町)

更新日:

社号 飛鳥田神社
読み あすかだ
通称
旧呼称 嶋瀉弁才天 等
鎮座地 京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町
旧国郡 山城国紀伊郡横大路村
御祭神 別雷神、市杵嶋姫命
社格 式内社、旧村社
例祭 4月20日、10月第3日曜日

 

飛鳥田神社の概要

京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町に鎮座する式内社です。

当社の創建・由緒については詳らかでありません。式内社「飛鳥田神社」の論社の一つで、『延喜式』神名帳には飛鳥田神社について「一名柿本社」とあり、当社の鎮座地が「柿ノ本」であることから、中島の飛鳥田神社と共に有力な論社となっています。

近世には「嶋瀉弁才天」と呼ばれていたようで、鳥居や手水鉢等にその銘が刻まれています。御祭神として「別雷神」と共に「市杵嶋姫命」が祀られているのはその名残でしょう。

『山城志』によれば、応永二十五年(1418年)に社殿が造営され、その後文永九年(1477年)、天正四年(1576年)、慶長十九年(1614年)に社殿の修理が、文禄五年(1596年)に屋根の葺き替えが行われたことが記されています。

現在の本殿は17世紀半ば頃の造営と考えられ、小さな神社ながら貴重な建築として京都市有形登録文化財となっています。

 

境内の様子

境内入口。当社周辺には集落は無く、工場が建ち並んでいます。昔の地図と照らし合わせると1960年代までは周囲は一面田に圃が広がっていたようで、その中にこんもりとした森を抱え鎮座していたようです。

 

西向きに建つ当社の鳥居は慶安五年(1652年)に奉納された古いもので、柱にはかつての呼称である「嶋瀉弁才天」の銘が刻まれています。

 

鳥居をくぐった様子。参道沿いに木々が生えており、周囲の環境が完全に変わった今でも「森」だった様子を偲ぶことができます。

 

参道を進んでいくと開けた空間となり、左側(北側)に南向きの社殿が並んでいます。

 

参道の右側(南側)に手水舎があります。手水鉢にもかつての呼称である「嶋瀉弁才天」の銘が刻まれてるようですがよくわかりませんでした。

 

拝殿は瓦葺の妻入入母屋造。拝殿の前面に接して透塀を廻らせて本殿を囲っています。

 

本殿は銅板葺の二間社流造。鮮やかな朱が施されています。17世紀半ばに造営されたと考えられており、京都市登録有形文化財となっています。

以前は荒れ果てており、ブルーシートに覆われて見るも無残な姿でしたが、平成二十五年(2013年)に修復工事が完了し現在はとても綺麗な姿に蘇っています。

 

社殿の左側(西側)に「出雲社」が鎮座しています。御祭神は「大国主神」。

 

社殿の左奥(北西側)に「稲荷社」が鎮座。御祭神は「倉稲魂神」。鳥居、瑞垣、社殿の全てに一面に朱が施されています。

 

社殿の右奥(北東側)に「石神社」が鎮座。御祭神は「大己貴神」。

社名が気になります。岩石でも祀っているのでしょうか。川に近い低地なので目立った岩石など無さそうな土地ですが…。

石神社の手前に配置されている砂岩製の狛犬。小祠にしてはやや大仰な付属物のように思われ、本社にあったものを転用したか、或いは遷座してきた神社だとしたら遷座前にあったものを持ってきたのかもしれません。

 

社殿の右手前(南東側)に二社の境内社が並んで鎮座しています。

左側の祠は「春日社」(御祭神「春日大神」)と「貴船社」(御祭神「高龗神」)の相殿。

右側の祠は「祇園社」(御祭神「素盞嗚尊」)と「八幡社」(御祭神「八幡大神」)の相殿。

 

タマヨリ姫
今は工場と大きな道路に囲まれてるけど、昔は田圃ばっかりだったみたいだね。
周りの環境が大きく変わった神社と言えるわね。でもここは「柿ノ本」の地名からして、式内社「飛鳥田神社」の最も有力な候補地なのよ。
トヨタマ姫

 

由緒

案内板「飛鳥田神社本殿」

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京都市登録有形文化財

飛鳥田神社本殿

飛鳥田神社は別雷・市杵島姫命を祭神とし、創建については確かなことはわからないものの、「日本紀略」には飛鳥田神社についての記載がみられる。ただし、式内社飛鳥田神社が当社であるかどうかについては明確ではないが、『延喜式神名帳』に「一名柿本社」とあることから、柿ノ本町に建つ当社が式内社である可能性は十分に考えられる。

中世以降の状況については、享保十九年(一七三四)の『山城志』に記された上梁文からうかがうことができ、これによると応永二十五年(一四一八)に社殿が造営され、その後文明九年(一四七七)・天正四年(一五七六)・慶長十九年(一六一四)に修理、また文禄五年(一五九六)に屋根葺替が行われていたようである。さらに十七世紀半ば頃には境内の整備が進められたものと推定され、境内正面の鳥居に「慶安五壬申年/嶋瀉弁才天御宝前」、また手水鉢には「嶋瀉弁才天/御宝前/明暦三年/五月日」の刻銘がみられる。

覆屋のなかに建つ本殿は大型の一間社流造の建物で、建築年代に関する史料を欠くものの、全体に木割が太くて装飾が少ない点、また蛙股や実肘木・虹梁の形状などから、境内の整備が行われた十七世紀半ば頃までに造営されたのものと考えられる。一部改変を受けているものの当所の姿を著しく損なうものではなく、また柱頭に舟肘木を落としこんで柱が直接桁を支持するという特異な手法が採用されている点に特色がみられる。

平成七年三月三十日指定
京都市

 

地図

京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町

 

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