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都祁山口神社 (奈良県天理市杣之内町)

社号都祁山口神社
読みつげやまぐち
通称
旧呼称水口明神、白山権現 等
鎮座地奈良県天理市杣之内町
旧国郡大和国山辺郡山口村
御祭神大山祇命
社格式内社
例祭10月14日

 

都祁山口神社の概要

奈良県天理市杣之内町に鎮座する神社で、奈良市都祁小山戸町に鎮座する同名の神社「都祁山口神社」と共に式内社「都祁山口神社」の論社となっています。

式内社「都祁山口神社」について、『延喜式』神名帳には大社に列せられ、古くは有力な神社だったようです。

『延喜式』神名帳の大和国・山城国には「○○山口(坐)神社」と称する神社が15社記載されており、その中の一つが式内社「都祁山口神社」です。

他の「○○山口(坐)神社」と同様、水源となる山間の地に山の神を祀り国家的に管理・祭祀したものと考えられます。

「○○山口(坐)神社」は全て『延喜式』臨時祭の祈雨神祭八十五座に加えられており、このことからも「○○山口(坐)神社」が水を司る神として朝廷から重視されたことが窺えます。

『延喜式』祝詞の祈年祭に飛鳥、石村、忍坂、長谷、畝火、耳無の各山口神社はその山の木材を伐り出し宮殿とした旨が記されており、「○○山口(坐)神社」は用材の産地として樹木を守護する神でもあったことが考えられます。

天平二年(730年)の『大和国正税帳』にも「都祁山口神社」について記載され、「都祁 神戸 稲136束 租10束1把 合146束1把 46束1把祭神に用う 残り142束1把」と記されています。

 

江戸時代には式内社「都祁山口神社」の所在は不明となっていたようで、江戸時代中期の地誌『大和志』は当社に比定しています。

これは恐らく当地の地名の旧称「山口村」を根拠とするものと思われます。明治十二年(1879年)に木堂村・山口村・内山村の三ヶ村が合併し、杣之内村となって現在の大字に引き継がれており、「山口」は地名としては消滅しています。

ただ、当地は奈良盆地東方の大和高原一帯を指す「都祁」と呼ばれる地域から遠く離れており、『大和志』の説は「山口」の地名から短絡的に結び付けた印象が否めません。

都祁地域へ至る奈良盆地側の入口の山麓、と解釈することも出来るかもしれませんが、他の「○○山口(坐)神社」を見てもそのような例は見受けられず、やはり式内社「都祁山口神社」は都祁地域における山に求める方が自然でしょう。

これに対して大正三年(1913年)に刊行の地誌『大和志料』は奈良市都祁小山戸町の「都祁山口神社」に比定しており、こちらは「都祁水分神社」の旧地とする伝承がある点に問題があるものの、都祁地域に所在する点ではより説得的です。

 

なお、当社は江戸時代以前は「水口明神」「白山権現」と称し、白山信仰の神社だったようです。後に山口村と合併することになる木堂村(現在の杣之内町の東部にある集落)にも「白山神社」が鎮座しており、周辺にもいくつかの「白山神社」が所在することから、当地近辺では白山信仰が比較的盛んだったようです。

当地は北方に「石上神宮」、東方に「内山永久寺」(現在は廃寺)と極めて有力な寺社に囲まれた地です。しかし当社には特にこれといった取り上げるべき信仰や伝承は特に見当たりません。

もし仮に当社が古くからの神社だったならば、闘鶏国造や都祁直といった多氏と同族で都祁地域を支配した氏族よりも、その立地から物部氏と関係のある神社だったかもしれません。

 

境内の様子

杣之内町は明治十二年(1879年)に木堂村・山口村・内山村の三ヶ村が合併して成立した杣之内村を元にした大字で、杣之内町のほぼ中心にある集落が旧・山口村です。

当社はこの旧・山口村の集落の東方にあり、舌状に伸びた丘の上に鎮座しています。

丘の北と南の両方から丘の上へ至る緩い石段が伸び、これらの合流する地点の東側に当社の入口があり、石段上に西向きに鳥居が建っています。

 

鳥居をくぐった様子。境内は広くなく、奥の土地の高くなった空間に社殿が横向き(南向き)に建っているのが見えます。

 

社殿へ至る石段の左側(北側)、本社拝殿の西側にあたるところに手水舎が建っています。

 

奥の石段を上って左側(北側)に上述のように社殿が南向きに並んでいます。

拝殿は桟瓦葺の平入入母屋造に妻入入母屋造の向拝の付いたもの。狭い空間にあるため写真に収めるのも一苦労です。

 

拝殿後方の基壇上、玉垣に囲まれて銅板葺の一間社流造の本殿が建っています。本殿前には木造の鳥居も建っています。

また本殿の右側(東側)に境内社が南向きに鎮座しています。社名・祭神は不明。社殿は銅板葺の春日(見世棚?)造。

手持ちの資料では境内社として「八坂神社」「大神社」が記されているのでそのいずれかでしょう。

本殿左側にも同様の境内社があるのかもしれません。

 

本社社殿の右側(東側)に石組があります。詳細不明。

 

参拝時は紅葉の時期だったので境内の楓の木が綺麗に染まりつつありました。

 

タマヨリ姫
昔はここ山口村って言ったんだ!じゃあ式内社としてはここで確定なのかな?
都祁と呼ばれるところはここから東にある高原地帯なのよ。そこから遠く離れてる点に大きな疑問があるわ。
トヨタマ姫

 

地図

奈良県天理市杣之内町

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