社号 | 小戸神社 |
読み | おべ/おおべ |
通称 | |
旧呼称 | 小部天神 等 |
鎮座地 | 兵庫県川西市小戸1丁目 |
旧国郡 | 摂津国川辺郡小戸村 |
御祭神 | 大山津見尊、素盞嗚命、天児屋根命 |
社格 | 式内社、旧村社 |
例祭 | 10月18日 |
式内社
小戸神社の概要
兵庫県川西市小戸1丁目に鎮座する式内社です。
当社の創建・由緒は詳らかでありません。
『兵庫県神社誌』などの資料では応神天皇の皇子、大山守命の子孫である「榛原公」が当地に居住し、当社を奉斎したのではとする説を紹介していますが、そのような記録は無く、根拠も特に無いようです。
当社の御祭神も長らく不明だったようですが、現在の御祭神は「大山津見尊」を主祭神とし、「素盞嗚命」「天児屋根命」を合祀しています。
江戸時代には当社は「小部天神」と呼ばれ、江戸時代の地誌『摂陽群談』に「天降ノ神ヲ以テ号トス」とあることから、天神とは菅原道真公のことでなく天津神を祀っていたと信仰されていたことが伺えます。
さらに『式内社調査報告』には古老の話として「旧地は現在花屋敷と称される釣鐘山の山麓にあった」と紹介されています。釣鐘山は当社の北西1.5kmほどのところにあり、現在は高級住宅地として中腹まで宅地化されています。
現在は到底その旧地とされる地を探るのは不可能ですが、現在地が猪名川の側の低地であることを考えると後世に遷ってきた可能性は十分考えられ、傾聴すべき言かもしれません。
境内の様子
境内の約200m南方、小花交番前交差点に社号標と提灯台が建ち、狛犬が配置されています。ここから境内まで一直線に参道が伸びています。
明治後期頃の地図を見るとこの道は存在しておらず、意外にも古い道ではないようです。
参道に配置されている狛犬。上から押しつぶされたような顔立ちが特徴的で、砂岩製で古めかしさの感じられるもの。これも恐らく元々は境内にあったものなのでしょう。
参道を進んでいくと境内入口となります。水路に架かる石橋を渡って境内に入ります。
石橋を渡って右側(東側)の社務所前に手水舎があります。
正面に一の鳥居が南向きに建っています。宝暦十年(1760年)に建てられたもの。
一の鳥居をくぐると二の鳥居、そして社殿が南向きに建ち並んでいます。
拝殿は銅板葺・平入入母屋造で大きな千鳥破風と唐破風付きの向拝が付いています。RC造ですが屋根と向拝部分は木造となっています。
拝殿前の狛犬。真新しい花崗岩製でキリっとした表情です。
後方の本殿は妻入切妻造の覆屋の中に納められています。
外から見ることはできませんが、本殿は杮葺の一間社流造で千鳥破風と軒唐破風が付いたものです。江戸時代前期に建立されたと考えられる貴重な建築で川西市指定文化財となっています。
貼紙
「小戸神社本殿」(川西市指定文化財第40号)
社殿の左側(西側)に朱の鳥居が並んでおり、その先に「稲荷神社」と「鹿島神社」の相殿となった境内社が鎮座。
境内西側の空間は遊具が設置されている他、いくつかの樹木が聳えており、中でも最も奥に聳え立つクスノキは樹齢500~600年と推定される巨樹で兵庫県指定重要文化財となっています。
境内を引きで見た様子。狭い空間ながらよく整備されており開放的な印象の境内となっています。
由緒
案内板
小戸神社由来
貼紙
当地氏神 小戸神社
『摂津名所図会』
地図