社号 | 蜂田神社 |
読み | はちた |
通称 | 鈴の宮 等 |
旧呼称 | 天神社 等 |
鎮座地 | 大阪府堺市中区八田寺町 |
旧国郡 | 和泉国大鳥郡八田寺村 |
御祭神 | 天児屋根命 |
社格 | 式内社、旧村社 |
例祭 | 10月第1土曜日 |
蜂田神社の概要
大阪府堺市中区八田寺町に鎮座する式内社です。
当社の創建・由緒は詳らかでありませんが、中臣氏の一族である「蜂田氏」が祖神を祀ったと考えられています。
『新撰姓氏録』和泉国神別に天児屋根命の後裔であるという「蜂田連」が登載されており、この氏族が当社を奉斎したと思われます。
近隣に「大鳥大社」や「等乃伎神社」など中臣系の神社が多く鎮座しており、古くは当地一帯が中臣系氏族の一大根拠地の一つだったことが考えられます。
当社は元は現在地の西方100mほどの山麓に鎮座していたと伝えられますが、永禄十一年(1568年)の三好氏と松永氏による家原城攻防のために現在地に遷座したと伝えられています。
また、当社は別名「鈴の宮」とも呼ばれています。
これは、当社を奉斎した蜂田連が土焼きの鈴12個を用意し、毎年春の初めに神前に供えその音の良し悪しでその年の吉凶を占ったと伝えられていることによるものです。
現在も境内の土を用いて毎年鈴占いが行われている(非公開なので見学不可)他、開運厄除けの鈴を参拝者に授与しているようです。
境内の様子
境内入口。鳥居が南向きに建っています。
当地の祭祀の歴史は450年程と思われますが樹木が密集し緑豊かな境内となっています。
鳥居両脇に配置されている狛犬。花崗岩製です。
鳥居をくぐると右側(東側)に手水舎があります。
鳥居からまっすぐ伸びる石畳の参道を進むとベンチ等の置かれている空間があり、正面奥に注連柱が、さらに奥に社殿が南向きに建っています。
拝殿はRC造で、銅板葺の平入入母屋造に唐破風の向拝が付いたもの。当社の別称である「鈴の宮」と書かれた提灯も掛けられています。
拝殿前に配置されている狛犬。鳥居脇の狛犬と比べると黒っぽい色です。こちらは花崗閃緑岩でしょうか。
拝殿背後、塀に囲われて建つ本殿もRC造で、幣殿と接続した銅板葺の春日造となっています。
道を戻り、参道の左側(西側)に「三ツ峰稲荷社」が東向きに鎮座。真っ赤な鳥居が蛇行気味に並んでいるのが印象的。
社殿は拝殿と本殿を備えた本格的なもので、拝殿は本瓦葺の平入入母屋造、本殿は覆屋に納められています(形式は確認できず)。
翻って、参道右側(東側)に鳥居が西向きに建ち、その奥にこのような壇があります。
これが何であるかは不明ですが伊勢神宮への遥拝所でしょうか。
先述の通り境内は樹木が多く豊かな森を形成しています。中でもツブラジイの木は堺市指定樹木となっています。
当社は元々は100mほど西方の山麓に鎮座していたと伝えられています。
具体的にどこなのかは不明ですが、この辺りがそうなのでしょうか。
由緒
案内板
蜂田神社
『和泉名所図会』
地図