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愛宕神社 (大阪府堺市中区福田)

社号愛宕神社
読みあたご
通称
旧呼称
鎮座地大阪府堺市中区福田
旧国郡和泉国大鳥郡福田村
御祭神火ノ雷大神、市杵島姫辨財天
社格式内社
例祭

 

愛宕神社の概要

大阪府堺市中区福田に鎮座する神社です。

式内社「火電神社」(もしくは「大電神社」)は当地に鎮座し「愛宕大権現」と呼ばれていましたが、明治四十一年(1908年)に上之地区に鎮座する「陶荒田神社」に合祀されました。その後、元来の愛宕大権現とは別に当地に愛宕神を勧請したのが当社です。

長らく「陶荒田神社」とは無関係でしたが、平成二十一年(2009年)に同社から灯籠が返還されたようです。

『延喜式』神名帳における当社の社名は伝本によって錯綜しており、国史大系本には「火電」、九條家本・金剛寺本・吉田家本には「大電」と記されています。読みは「イナヒカリ」もしくは「イナヒカリノ」とあります。

一方で近世には「火雷神社」と書いて「ホノイカヅチ」と読むようになったようです。

いずれの表記が正しいかは不明ですが、雷と関係のある神社であることはほぼ間違いないでしょう。

畿内の式内社では山城国乙訓郡に「乙訓坐火雷神社」(現在の「角宮神社」 / 京都府長岡京市井ノ内南内畑に鎮座)、大和国宇智郡に「火雷神社」(奈良県五條市御山町に鎮座)および「宮前霹靂神社」(奈良県五條市西久留野町)といった雷に関する神社が所在しています。

さらに他にも河内国若江郡の「若江鏡神社」(東大阪市若江南町に鎮座)には雷が二度と雷を落とさないと誓った手形と伝えられる「雷の手形石」があります。当地でも雷除けのために雷神が祀られたことが考えられます。

一方で雷は古くから稲作の実りを促すものと考えられました。「イナヒカリ」と訓があるように、稲の実りをもたらす農耕神としての「稲光」「稲妻」が信仰された可能性も考えられるかもしれません。

 

境内の様子

境内入口。交通量の多い道路のすぐ側に南向きの鳥居が建っています。

鳥居の両脇の灯籠は、明治の合祀に伴って陶荒田神社に移設されていたものを平成二十一年(2009年)に返還されたもののようです。

 

鳥居をくぐって右側(東側)に手水舎があります。

 

境内は狭く、正面奥の左側(西側)に社殿が東向きに並んでいます。

拝殿は銅板葺の平入切妻造。後方の本殿は建物に遮られて見ることが出来ません。

 

拝殿前に配置されている狛犬。やや新しいもので花崗岩製です。

 

境内の樹木らしい樹木は桜が数本あるのみで小ざっぱりとしています。私が訪れた時はもうほぼ散っていましたが、花の咲く時期だったらきっと美しいことでしょう。

 

タマ姫
火電神社?大電神社?火雷神社?どれが正しいんだろ?
『延喜式』の伝本によって表記が違ってるみたいね。いずれにしても「イナヒカリ」って読んだみたいよ。
トヨ姫

 

由緒

案内板

愛宕神社の由緒

 

地図

大阪府堺市中区福田

 

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