1.奈良県 2.大和国

大蔵神社 (奈良県吉野郡吉野町南国栖)

社号 大蔵神社
読み おおくら
通称
旧呼称
鎮座地 奈良県吉野郡吉野町南国栖
旧国郡 大和国吉野郡南国栖村
御祭神 鹿葦津比売命、大倉姫命、石穗押別命
社格 式内社
例祭 9月1日

 

大蔵神社の概要

奈良県吉野郡吉野町南国栖に鎮座する神社です。樫尾地区に鎮座する「川上鹿塩神社」と共に式内社「川上鹿鹽神社」の論社となっています。

当社の創建・由緒は詳らかでありません。

伝承によれば、樫尾地区の五社峠に鎮座する「川上鹿塩神社」に祀られる五座の神の内、二座を当地に遷したとも伝えられています。

一方、現在の御祭神は「鹿葦津比売命」「大倉姫命」「石穗押別命」の三柱となっており、いずれの神が五社峠の川上鹿塩神社から遷されたのかは不明です。

 

当社の境内には泉から引かれた二つの池から成る庭園の遺構があり、室町時代中期を下らない時期のものであると考えられ、滋賀県高島市朽木岩瀬の旧秀隣寺庭園や三重県津市美杉町上多気に鎮座する「北畠神社」の庭園との類似性も指摘されています。

現在は集落から離れた衣笠山の斜面上にあり、人気の全く無い木々に埋もれた神社といった印象ですが、この庭園の存在はかつてここに豪壮な屋敷の構えられた開けたところだったことを物語っています。

また当社には鎌倉時代の作とされる神像や、正応五年(1292年)の銘のある古鏡も伝えられており、庭園と共に当社の歴史を感じさせるものです。

さらに未見ですが社殿の近隣に巨岩もあるようです。

今にも忘れ去られそうな地に鎮座する神社ですが、集落の近隣に移転されることなくここが神域であると古くから守り伝えてきたのでしょう。

 

境内の様子

大蔵神社

大蔵神社

当社は集落から遠く離れた衣笠山の山腹に鎮座しており、人気の全く無い木々に埋もれたひっそりとした地に立地しています。大変わかりにくい場所にあるため詳しい行き方は後程ご紹介します。

斜面上に石垣が設けられており、その中央に朱鳥居が、石垣上に覆屋に納められた本殿が南向きに建っています。

本殿前には拝所が設けられているものの、拝殿はありません。

石垣上にはいくつかの杉の巨樹も聳えており、古くからの神域であることが偲ばれます。

 

鳥居の傍らに配置されている狛犬。砂岩製でしょうか?

 

覆屋の中に檜皮葺・三間社流造の本殿が建っています。朱などの彩色が施されており美しい建築です。

古そうな建築ですがいつ頃の建立であるかは不明。

 

本社社殿の左奥(北西側)の斜面上に石段が伸びており、これを上って行くと境内社が南向きに鎮座しています。社名・祭神は不明。

社殿は板葺の春日見世棚造で覆屋に納められています。

 

石段下の左側(西側)にも境内社が南向きに鎮座しています。こちらも社名・祭神は不明。

社殿は銅板葺の春日見世棚造。

 

当社社殿の左側(西側)には池状に配置された石組があり、これは室町時代の庭園の遺構で、奈良県指定名勝となっています。

後世の補修などが全く無いといい、往時の庭園がそのまま残されている点で貴重なものです。

今では全く人気のない地ですが、かつては庭園が設けられるような居館が建てられるほど開けた場所だったのでしょう。

案内板「大蔵神社庭園」

+ 開く

県指定名勝

大蔵神社庭園

この庭園は、高さ一メートルの吉野渓谷産の巨石を中心として、つながった二つの池を配している。本来これらの池は、泉から引かれた導水路による流水施設となっていたらしく、小泉水庭跡とされる遺構である。

池割や石組の様式は、近畿地方では僻遠地に残る地方武士居館跡の庭園跡に類例があり、滋賀県高島郡朽木村旧秀隣寺、三重県一志郡美杉村北畠神社の泉水の形状などに類似している。また、日本庭園としては珍しい海抜約三〇〇メートルの高所に位置し、吉野川上流の渓谷と、その対岸の高峰を借景にしている。これらの特色から、その創造年代は室町時代中期を下らないと考えられている。

近世においても補修工事が全く認められず、日本庭園史上からも尊重すべきものである。

平成七年三月

奈良県教育委員会

 

現在の庭園跡は水が涸れていますが、北側には導水施設らしき水路もしくは泉があり、こちらは水が湛えられていました。

 

さらに北側には井戸が設けられています。これも水源だったのでしょうか?

 

大蔵神社への行き方

当社は集落から離れた山の斜面上、非常にわかりにくい場所にあり、ネット上でも情報があまりありません。

そこで、当社へのアクセス方法は複数の経路があると思われますが、ここでは地元の方に教えていただいた経路を詳しくご紹介します。

 

まず、吉野川沿いの川上村東川(うのかわ)と吉野町南国栖のちょうど境界近くにある民家の前の石段を上ります。

この民家の場所を示したGoogleストリートビューを下に貼り付けておきます。

 

続いてこの民家の前を進み、奥の斜面上を右へ上っていきます。

民家の方のご迷惑にならないようご注意ください。

 

この斜面の突き当りを今度は左へ進んでいきます。

 

ちょっとした林を抜けると開けたところとなっており、右側に石段状の道が伸びているのでここを進みます。

 

ここをまっすぐ登って行くとこのような杉林に覆われ、「こんなところに神社があるのか?」と不安な気持ちにさせられますが気にせず進んでいきます。

しばらくの間ひたすら登って行くと右側に当社の社殿が見えてくるはずです。

 

タマヨリ姫
こんな人気のない山奥に庭園があるんだね!昔ここに住んでいた人がいたのかな?
今からでは想像できないけど、ここは昔はかなり開けたところだったかもしれないわね。
トヨタマ姫

 

地図

奈良県吉野郡吉野町南国栖

じゃらんで見る

JTBで見る

日本旅行で見る

 

関係する寺社等

川上鹿塩神社 (奈良県吉野郡吉野町樫尾)

社号 川上鹿塩神社 読み かわかみかしお 通称 旧呼称 五社明神、大蔵明神、大倉明神 等 鎮座地 奈良県吉野郡吉野町樫尾 旧国郡 大和国吉野郡樫尾村 御祭神 天照皇大神、忍穗耳命、瓊瓊杵命 社格 式内 ...

続きを見る

-1.奈良県, 2.大和国
-,

Copyright© 神社巡遊録 , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.