1.奈良県 2.大和国

狭井神社 (奈良県桜井市三輪)

社号 狭井神社
読み さい
通称 華鎮社 等
旧呼称
鎮座地 奈良県桜井市三輪
旧国郡 大和国式上郡三輪村
御祭神 大神荒魂神、大物主神、姫蹈鞴五十鈴姫命、勢夜多多良姫命、事代主神
社格 大神神社摂社、式内社
例祭 4月10日

 

狭井神社の概要

奈良県桜井市三輪に鎮座する式内社です。大神神社の摂社で、大神神社の北方、山の辺の道の東側に立地しています。

当社の創建・由緒は詳らかでありませんが、垂仁天皇の御代に大神神社の御祭神である「大物主大神」の荒魂を祀ったのが当社であるとされています。

霊魂は穏やかで幸福をもたらす働きをなす「和魂(にぎみたま)」と荒々しく災厄をもたらす働きをなす「荒魂(あらみたま)」の二面があり、大神神社では大物主大神の和魂(幸魂・奇魂)を祀ることが記紀に記されています。

当社の創建について記紀に何ら言及があるわけではありませんが、当社で荒魂を祀ることで大神神社の和魂との対となし、災厄を鎮め国土の安寧を祈ったことが推測されます。

 

当社では毎年4月18日に大神神社と共に「鎮花祭(はなしずめのまつり)」が行われることで知られています。

この祭の歴史は古く、平安時代の『令義解』にこの祭について記されており、大神神社と狭井神社において、春の花びらの舞い散る時に疫病を鎮遏(ちんあつ)するために鎮花祭を行うとあります。

記紀に崇神天皇の御代に疫病が流行した際に大田田根子命を大神神社の神主としたことで収まったことが記されていることに加え、当社の疫病をもたらす荒魂としての側面が、この祭に現れていることが考えられます。

現在では鎮花祭で薬草である忍冬(すいかずら)と百合根が供えられることから、近畿各地の製薬業者や医療関係者が参列し、医薬品の奉献もあり、「薬まつり」とも呼ばれています。

薬で疫病に打ち勝つことを期待すると共に、製薬や医療の発展と人々の健康を願って行われる祭と言えましょう。

 

また当社の社名「狭井」とは神聖な泉を指すと考えられ、それが示すように拝殿裏手には霊泉があります。三輪山より湧き出る水で、病気の平癒に験がある「くすり水」として信仰されています。

鎮花祭と共に当社の病気平癒の神としての神格が現れていると言え、恐らくは疫病をもたらす荒魂を鎮め丁重に祀ることで疫病はじめ様々な病気を治す神格へと変わっていったのでしょう。

一方で「狭井」とは『古事記』神武天皇の段に伊須気余理比売(=姫蹈鞴五十鈴姫)の家が狭井河の上にあるとあり、その河をサヰ河と呼ぶのは、その河の辺りにヤマユリ草が多く生えており、ヤマユリ草は元はサヰと呼んだためと記されています。

ヤマユリの鱗茎は百合根であり、鎮花祭で百合根が供えられているのはこれと関係があるのかもしれません。

 

境内の様子

当社は大神神社の社殿から山の辺の道を北方に250mほど進んだところに鎮座しています。

山の辺の道の東側に入口があり、鳥居が西向きに建っています。

 

鳥居をくぐった様子。境内は木々で鬱蒼とし、また南側が三輪山の斜面となっていることから昼でも薄暗い空間となっています。

 

参道の左側(北側)に手水舎があります。

 

さらに参道を進むと正面に石段があり、その上には注連縄の掛けられた注連柱が建っています。

 

狭井神社

狭井神社

石段を上って正面に社殿が西向きに建っています。

拝殿は檜皮葺・平入入母屋造に唐破風付きの大きな向拝の付いたもので、比較的新しい建物。

 

拝殿後方の石垣上の高いところに本殿が建っていますが、瑞垣が設けられていることもありあまりよく見えません。

檜皮葺の隅木入春日造のようです。

 

拝殿と本殿の間に「くすり水」と呼ばれる井があり、この水を飲めば万病に効くとして信仰されています。

かなり綺麗に整備されており、球状の石造物に設置されたボタンを押すと吐水から水が出てくる仕組みとなっています。

そのままで飲用が可能でコップや洗い場も用意されています。

案内板「狭井神社の霊泉」

+ 開く

狭井神社の霊泉

この霊泉は神体山・三輪山から滾々と湧き出た御霊水で清澄且つ一種の風味を称え遠近より拝受に来る者四時絶える事がありません

酒造家は醸造製薬業者は製剤に更には書画に精進される方はその用水にいずれも広大な霊徳を頌して当狭井神社の御神威とともに天下に伝承せられています

 

拝殿前の右側(南側)に大神神社の神体山である三輪山への登山口があります。

ここから三輪山への登拝が可能ですが、そのためには大幅な制約があります。

当社の社務所に住所・氏名・電話番号を届け、初穂料を納め、受け取った襷を肩に掛ける必要があります。

写真撮影や飲食は禁止で、岩石や草木など山中のあらゆるものを持ち帰ることもできません。

神聖な山ですから登拝の際はこれらの注意事項を厳密に守るよう心がけてください。

 

道を戻ります。境内の北側に大きな池があり「鎮女池(しずめいけ)」と呼ばれています。

 

鎮女池の中に「市杵島姫神社」が鎮座しています。御祭神は「市杵島姫命」。

狭井神社の鳥居をくぐってすぐ左側(北側)に朱鳥居が建ち、橋の先の島に立地しています。

柵に囲われて鎮座しており、社殿は檜皮葺の流見世棚造。

桜井市茅原の厳島社から昭和三十一年(1956年)に勧請されたものです。

案内板「大神神社末社 市杵島姫神社」

+ 開く

大神神社末社 市杵島姫神社

御祭神

市杵島姫命

御例祭

十一月十日

(御由緒)

御祭神は素戔嗚大神(祇園さんとも呼ばれる)の御子神で水の守護神とされ 安芸の宮島の御祭神として広く知られています また弁財天(弁天さん)と称され七福神の中で福徳財宝・芸能を司る神様としても親しまれています この神社は桜井市茅原鎮座の末社 厳島社から勧請された神社です

 

タマヨリ姫
ここから三輪山に登ることができるんだ!
三輪山に登拝するときは色々な禁止事項があるからちゃんと守ることよ。
トヨタマ姫

 

御朱印

 

由緒

案内板「狭井坐大神荒魂神社(狭井神社)」

+ 開く

狭井坐大神荒魂神社(狭井神社)

主祭神

大神荒魂神

配祠神

┏大物主神
┃姫蹈鞴五十鈴姫命
┃勢夜多々良姫命
┗事代主神

当神社は、第十一代垂仁天皇の御世(約二千年前)に創祠せられ、ご本社大神神社で大物主神「和魂」をお祀りしているのに対して「荒魂」をお祀りしています。

「荒魂」とは進取的で活動的なおはたらきの神霊で、災時などに顕著なおはたらきをされます。特に身心に関係する篤い祈りに霊験あらたかな御神威をくだされ、多くの人々から病気平癒の神様として崇められています。

今「くすり祭り」と知られる鎮花祭は、西暦八三四年施行の「令義解」に「春花飛散する時に在りて、疫神分散して癘を行ふ。その鎮遏の為必ず此の祭りあり。故に鎮花といふ也。」と記され、万民の無病息災を祈る重要な国家の祭りとして定められております。予って、別名、華鎮社(はなしずめのやしろ)・しずめの宮と称されています。

又、御社名の「狭井」とは神聖な井戸・泉・水源を意味し、そこに湧き出る霊泉は太古より「くすり水」として信仰の対象になっています。

御例祭

四月十日

鎮花祭

四月十八日

 

地図

奈良県桜井市三輪

じゃらんで見る

JTBで見る

日本旅行で見る

 

関係する寺社等

大神神社 (奈良県桜井市三輪)

社号 大神神社 読み おおみわ 通称 旧呼称 三輪明神 等 鎮座地 奈良県桜井市三輪 旧国郡 大和国式上郡三輪村 御祭神 大物主大神 社格 式内社、二十二社、大和国一宮、旧官幣大社 例祭 4月9日 式 ...

続きを見る

桧原神社 (奈良県桜井市三輪)

社号 檜原神社 読み ひばら 通称 旧呼称 鎮座地 奈良県桜井市三輪 旧国郡 大和国式上郡三輪村 御祭神 天照若御魂神、伊奘諾命、伊奘冊命 社格 大神神社摂社、式内社 例祭 2月15日 式内社 大和國 ...

続きを見る

神坐日向神社 (奈良県桜井市三輪)

社号 神坐日向神社 読み みわにますひむかい 通称 旧呼称 御子宮 等 鎮座地 奈良県桜井市三輪 旧国郡 大和国式上郡三輪村 御祭神 櫛御方命、飯肩巣見命、武甕槌命 社格 大神神社摂社、式内社 例祭 ...

続きを見る

綱越神社 (奈良県桜井市三輪)

社号 綱越神社 読み つなこし 通称 おんぱらさん、夏越の社 等 旧呼称 鎮座地 奈良県桜井市三輪 旧国郡 大和国式上郡三輪村 御祭神 祓戸大神 社格 大神神社摂社、式内社 例祭 7月31日 式内社 ...

続きを見る

-1.奈良県, 2.大和国
-, ,

Copyright© 神社巡遊録 , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.