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神坐日向神社 (奈良県桜井市三輪)

社号 神坐日向神社
読み みわにますひむかい
通称
旧呼称 御子宮 等
鎮座地 奈良県桜井市三輪
旧国郡 大和国式上郡三輪村
御祭神 櫛御方命、飯肩巣見命、武甕槌命
社格 大神神社摂社、式内社
例祭 5月9日

 

神坐日向神社の概要

奈良県桜井市三輪に鎮座する式内社です。大神神社の摂社の一つ。

当社は大神神社の南方200mほどの「御子森」と呼ばれる小高い地に鎮座しています。

当社の御祭神は「櫛御方命」「飯肩巣見命」「武甕槌命」の三柱です。

これらの神々について、『古事記』に大神神社の初代神主として選ばれたオオタタネコが「お前は誰の子か」と問われたときに、大物主神と活玉依毘売との間に生まれたのが櫛御方命、その子が飯肩巣見命、その子が武甕槌命、さらにその子が自分であると答えています。

つまりオオタタネコの曽祖父、祖父、父を祀っているのが当社であり、オオタタネコの子孫である大神神社社家「大神氏」の祖を祀っていると言えます。

 

ただ、式内社「神坐日向神社」については現在は三輪山の山頂近くに鎮座している「高宮(こうのみや)神社」こそがそうで、当社と高宮神社は社名が入れ替わってしまっているとの説があります。

大神神社の社家であった大神氏は後に高宮氏と改称したため、彼らの祖を祀る当社が高宮神社であると考えるのは確かに説得力があります。

また近世以前の記録でも現在の高宮神社を「日向神社」とするものがいくつかあります。

実際、明治十八年(1885年)に大神神社から政府に対して「高宮神社こそが神坐日向神社であるから訂正してほしい」との旨の要望を出したものの却下されたようです。

式内社「神坐日向神社」は社名からしても太陽信仰の神社と思われ、三輪山の山頂で「日読み」を行い太陽神を祭祀したことは十分考えられます。

鎌倉時代に豊受神宮の神官が著した『倭姫世紀』によれば、崇神天皇の御代まで天照大神を天皇と「同床共殿」で祀っていたことを畏れて豊鍬入姫命に託して然るべき祭祀の地を求めさせたとき、笠縫邑から丹波や紀伊、吉備など各地を転々とした後に「弥和乃御室嶺上宮」に祀っています。

これは三輪山の山頂である現在の高宮神社が比定地として考えられており、「元伊勢」として三輪山の山頂が太陽神を祀るに相応しい地だったことを示しています。

この元伊勢としての「弥和乃御室嶺上宮」が式内社「神坐日向神社」に継承されたことも考えられるかもしれません。

一方、春日大社の東方に聳える御蓋山の山頂には「本宮神社」が鎮座しており、添上郡の式内社「大和日向神社」だとされています。

式内社「神坐日向神社」と式内社「大和日向神社」は対をなして奈良盆地の東方の南北の山上で太陽神を祀るものだったのかもしれません。

いずれにしても式内社「神坐日向神社」の比定には様々な事情があったと思われ、三輪山上の高宮神社ならともかく、現在の当社は太陽神としての神格は見えず、先述の通り大神神社社家の祖神として信仰されている神社となっています。

 

境内の様子

大神神社から山の辺の道を南方へ約200mほど進むと、西側にこんもりとした森が見えます。

この森を「御子森」と呼び、当社の鎮座地となります。

当社へ行くには山の辺の道から西に伸びる民家沿いの砂利道を通っていきます。

 

「御子森」の入口の様子。鬱蒼とした森となっており、やや小高い一帯となっています。

 

森へ入って左側に当社の鳥居と社殿が北向きに建っています。

 

鳥居後方の石垣上に瑞垣が囲われ、その内側に銅板葺の春日見世棚造の社殿が建っています。拝殿等の施設はありません。

 

タマヨリ姫
神坐日向神社はほんとは三輪山の山頂の神社だって説があるって聞いたけどそうなの?
ええ、その説も有力よ。実際、明治時代に山頂の神社と逆になってるから訂正してほしいってお願いが政府に出されたけど却下されたみたいね。
トヨタマ姫

 

由緒

案内板「大神神社摂社 神坐日向神社」

+ 開く

大神神社摂社 神坐日向神社

御祭神

櫛御方命
飯肩巣見命
武甕槌命

御例祭

五月九日

(御由緒)

大神神社の御祭神大物主大神の御子神の櫛御方命をはじめご子孫の神々をお祀りします。

平安時代の『延喜式』神名帳にも記される古社で、御子神を祀ることから神社の古絵図に「御子宮」として描かれます。社殿が神社建築では珍しく北向きとなっています。

 

地図

奈良県桜井市三輪

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