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土生神社 (大阪府岸和田市土生町)

社号土生神社
読みはぶ
通称
旧呼称
鎮座地大阪府岸和田市土生町7丁目
旧国郡和泉国南郡土生村
御祭神菅原道真公
社格
例祭10月10日

 

土生神社の概要

大阪府岸和田市土生町7丁目に鎮座する神社です。

和泉国の国内神名帳『和泉国神名帳』の泉南郡に見える「従五位下 土生社」は当社であるとされています。

社伝によれば、当社の創建・由緒について次のように伝えています。

  • 当地は元は「山中」と称していたが、野見宿禰(ノミノスクネ)が陵墓に埴輪を作ることを提案した際、当地の土を用いて埴輪を作った。故に後に「土生」と改めた。
  • しかし当地には長らく神社が無く、南東3.5kmほどの「意賀美神社」(土生滝町に鎮座)が鎮守だった。
  • 寛治四年(1090年)、白河上皇が熊野からの還幸の際に当地に留まった。この時に土生の人々は当地の鎮守神が遠いため土生に新たに鎮守の神を祀りたいと願い出、これが許されて天満天神を祀ることとなり、「北野天満宮」(京都市上京区に鎮座)の分霊と菅原道真直筆の法華経一軸を拝受し、上皇の留まった地に社殿を建立した。これが当社である。

当地を「土生」と称した所以について土師氏の祖である野見宿禰に求めています。

土師氏は古来より土器の生産および葬送儀礼に携わった氏族で、特に古墳時代においては埴輪等の土器の生産および古墳の祭祀を担っていたと考えられます。

野見宿禰が陵墓に埴輪を作ることを提案した故事は『日本書紀』垂仁天皇三十二年七月条に見え(詳細は「菅原天満宮」(奈良市菅原町)の記事を参照)、土師氏の職掌の由来として描かれています。ただしその土を当地から採ったとは特に記していません。

『新撰姓氏録』には和泉国神別に「土師宿禰」「土師連」など土師氏が登載されているものの、これらは百舌鳥古墳群の築造および祭祀に携わった氏族と思われ、堺市中区土師町付近に居住していたものと推測されます。

当社の御祭神である「菅原道真公」は土師氏の子孫であるため、上記の「土生」の地名説話はその祖である野見宿禰に付会したものと思われます。

ただ、やはり「土生」の地名からは古い時代に当地の土を用いて何らかの土器が作られていた可能性は高いと言えましょう。

その後、上記のように神社の無かった当地において寛治四年に当社が創建されたといい、それ以降は天神信仰の神社として崇敬を集めることになったようです。

 

境内の様子

土生神社

当社は土生町の南側に鎮座しています。住宅地の中にあるものの、当社境内はこんもりとした森となっていることが外観からもよくわかります。

境内入口には一の鳥居が西向きに建っています。

 

境内入口に配置されている狛犬。花崗岩製です。

 

一の鳥居をくぐって右側(南側)に手水舎が建っています。

 

石畳敷の参道を進むと二の鳥居が西向きに建っています。

社叢は非常に鬱蒼としており、宅地に残る貴重な植生が評価され岸和田市指定天然記念物となっています。

 

二の鳥居をくぐった先に三の鳥居が西向きに建っています。この鳥居のみ木造です。

 

三の鳥居をくぐってすぐ奥に社殿が西向きに並んでいます。

拝殿は桟瓦葺の平入入母屋造の割拝殿。桁行八間のそこそこ大規模な建築です。

 

土生神社

土生神社

割拝殿をくぐると正面奥に本瓦葺・平入切妻造の四脚門形式の中門(拝所)が建っています。

左右には瑞垣が伸び、奥の本殿の建つ空間を完全に仕切っています。

 

拝所の後方には塀に囲まれて銅板葺の一間社流造の本殿が建っています。

塀内、本殿の左側(北側)および右手前側(南東側)にも境内社が鎮座しているようですが詳細不明。

 

本社中門前の左側(北側)に「祓戸神社」が南向きに鎮座。御祭神は「祓戸大神」。

社殿は銅板葺の春日見世棚造で、玉垣に囲まれて建っています。

恐らく本社参拝前にここに参拝し穢れを祓うものでしょう。こうした「祓戸神社」は奈良県の神社でよく見かけるものです。

 

本社中門前の右側(南側)には天神信仰の神社らしく牛の銅像が配置されています。

 

道を戻ります。

割拝殿の手前右側(南側)には「稲荷神社」が北向きに鎮座。御祭神は「保食神」。

四基の朱鳥居が並び、その奥の柵内に銅板葺の春日見世棚造の社殿が建っています。

 

一の鳥居と二の鳥居の間、手水舎の左奥(南東側)に玉垣で囲われた方形の池があり、ここに「厳島神社」が北向きに鎮座。御祭神は「市杵島比賣命」。

池の畔に鳥居が北向きに建ち、その奥の池にある基壇上に銅板葺の流見世棚造の社殿が建っています。

 

池の反対側へ回り込むと、池を背にして「牛神社」が南向きに鎮座。御祭神は「須佐男命」。

玉垣に囲われて妻入入母屋造の石祠が建っています。

西日本ではかつて牛を農耕のために使役していたところが多く家畜として大事にされたため、牛の守護神が祀られる例がしばしば見られます。

この神社もその類と思われ、泉州地域ではよく見かけるものです。

 

タマヨリ姫
土生(はぶ)って地名よく見るけど読み方が難しいね。土を作るってどういう意味なんだろう?
ここで採れる土を使って土器を作ったことが考えられるわ。社伝では埴輪を作る土器に使ったと伝えられているわね。
トヨタマ姫

 

由緒

案内板

土生神社要覧

 

地図

大阪府岸和田市土生町7丁目

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