社号 | 阿理莫神社 |
読み | ありまか |
通称 | |
旧呼称 | |
鎮座地 | 大阪府貝塚市久保 |
旧国郡 | 和泉国南郡久保村 |
御祭神 | 饒速日命、阿理莫公 |
社格 | 式内社、旧郷社 |
例祭 | 9月25日 |
式内社
阿理莫神社の概要
大阪府貝塚市久保に鎮座する式内社です。
社伝によれば継体天皇元年(507年)に物部氏の一族である「安莫(アマカ)氏」が当地に祖神を祀ったとされています。
『新撰姓氏録』和泉国神別に饒速日命の七世孫、十千尼大連の後裔であるという「安幕首」が登載されており、この氏族が当社を奉斎したと考えられています。
その後の当社の来歴は詳らかでありません。
なお、江戸時代中期の百科事典『和漢三才図会』や地誌『和泉名所図会』等の阿理莫神社の記事には瀧村に所在して「雨近明神」と呼ばれたことが記されていますが、これは現在の岸和田市土生滝町に鎮座する「意賀美神社」を誤って記したものと考えられています。
近年まで当社は広大な社叢に覆われた鬱蒼とした境内だったようですが、現在はそれらは大部分が伐採されてしまい、随分さっぱりとした境内になっています。
境内の様子
境内入口に一の鳥居が南向きに建っています。
境内は実に広々としており、一の鳥居から二の鳥居、社殿と一直線に並んでいる様子が一目でわかります。
一の鳥居の脇に配置されている狛犬。花崗岩製です。
かつて当社は樹木の鬱蒼と生い茂る非常に鬱蒼とした境内だったようですが、現在はこのように樹木の乏しい開放的な空間となっています。
ネット上には往時の様子の画像がいくつか見られ、比べると全く見違えるような光景になっています。
舗装された参道を進むと二の鳥居が南向きに建っています。
この奥の社殿のある空間は石段の上にあり、のっぺりとした印象のある境内に高低差でメリハリを付けています。
二の鳥居の右側(東側)に手水舎があります。
石段上の正面奥に真新しい社殿が南向きに並んでいます。
拝殿は本瓦葺の平入入母屋造に銅板葺の唐破風の向拝が付いたもの。
拝殿前に狛犬が親、子、孫のように大きさの順で並んでいます。
当社は明治の神社合祀政策で近隣の神社を合祀した際、石造物も移されたと伝えられています。これら狛犬もそうなのでしょうか。
拝殿後方、塀に囲まれて建つ本殿は銅板葺のまっすぐな屋根の妻入切妻造で、住吉造や大鳥造に似た形式です。
本社社殿前の右側(東側)に二基の平入入母屋造の石祠が西向きに配置されており、灯籠の後方に真新しい石祠、その左側に古い石祠があります。
いずれも社名や祭神は不明。古い方の石祠は嘉永三年(1850年)の銘が刻まれています。
社殿から鳥居方向を見た様子。元々はこの参道の両側に樹木が鬱蒼と生い茂っていました。
もし十数年ぶりに訪れる方がいらしたらあまりの変わりっぷりに驚かれるのではないでしょうか。
由緒
案内板
阿理莫神社
『和泉名所図会』
地図