社号 | 國分神社 |
読み | こくぶ |
通称 | |
旧呼称 | |
鎮座地 | 大阪府柏原市国分市場 |
旧国郡 | 河内国安宿部郡国分村 |
御祭神 | 大国主命、少彦名命、飛鳥大神 |
社格 | 旧村社 |
例祭 | 7月17日、10月17日 |
國分神社の概要
大阪府柏原市国分市場に鎮座する神社です。
由緒は詳らかでありませんが、社伝によれば鎌倉時代の宇多天皇の御代に創建され、奈良県桜井市三輪に鎮座する「大神神社」から「大国主命」「少彦名命」を、さらに別に「飛鳥大神」(「飛鳥戸神社」(羽曳野市飛鳥に鎮座)の神か?)を勧請したと伝えています。
当社の背後の山には古墳時代前期に築造された「松岳山古墳」があり、本文で紹介するように極めて異質な古墳として注目されています。
また国宝に指定されている「船王後」なる人物の墓誌「船氏王後墓誌」がこの松岳山古墳から出土したと言われていたものの、船王後の時代と古墳の築造時期が全く異なるため現在は否定されています。
近隣には「河内国分寺」や「田辺廃寺」があり、この近辺は渡来人による開拓もあったと推定され白鳳時代には大いに栄えたと思われますが、本来耕地となるべき地形に乏しいため古墳時代にどういう人々がこれほどの古墳を築いたのか不思議です。
一説には大和川の水運を担った職能集団の長だとも言われています。
こうした古墳を造営したり当地を開発したりした古代の人々が当社の祭祀と結びつくとは考えにくいものの、古くからの歴史のある地であることが窺える神社です。
境内の様子
境内入口。大和川の側にある丘の中腹に鎮座しており、麓から石段が伸びています。
石段の中ほどで道路を跨ぎ、この道路に面して鳥居が南向きに建っています。
石段の途中に一対の狛犬が配置されています。花崗岩製。
石段を上って右側(東側)に手水舎があります。
手水鉢は扇形や花形の施されたとてもオシャレなもので、天保十五年(1844年)に奉納されたものです。
石段を上った空間の正面に社殿が南向きに並んでいます。
拝殿は本瓦葺の平入入母屋造で、妻入入母屋造の向拝が配されています。拝殿は授与所も兼ねています。
拝殿後方に建つ本殿はやや複雑な造りとなっており、千鳥破風と軒唐破風の付いた一間社流造で、側面に二つの裳階の付いたちょっと珍しい形となっています。
加えて朱塗りも施されているため派手な印象を受けます。
本社本殿の左側(西側)に二棟の境内社が南向きに鎮座。この内、左側(西側)が「神明社」、右側(東側)が「稲荷社」です。
いずれも銅板葺の小さな一間社流造。
本社本殿の右側(東側)には三棟の境内社が南向きに鎮座。左側(西側)が「春日社」、中央が「八幡社」、右側(東側)が「住吉社」。
社殿はいずれも同規格の銅板葺の一間社流造。
住吉社の右隣(東側)、境内の東端に「森本大明神」が南向きに鎮座。御祭神は「経津主命」。
桟瓦葺の平入切妻造に妻入切妻造の庇の付いた拝殿が建ち、その後方に桟瓦葺・平入切妻造の覆屋が建っています。恐らくこの中に本殿が納められているのでしょう。
明治四十年(1907年)に国分東条から遷座した神社で、式内社「杜本神社」の論社となっています。なお、旧地には昭和四十七年(1972年)に杜本神社が復興しています。
境内の西側には「金巻明神之宮」が南向きに鎮座。如何なる神なのか全く不明。
社殿はRC造で桟瓦葺の平入切妻造。中に社殿が納められているのかもしれません。
松岳山古墳
境内の西側から「松岳山(マツオカヤマ)古墳」のある丘の上へ登れる道があります。
無断立入禁止との看板があるため、神社の方の許可を得て入山するようにしましょう。
道を登っていくと墳頂が見えてきます。
「松岳山古墳」の墳頂に着くと、まず目につくのが石棺です。
前方後円墳である松岳山古墳は西に前方部が、東に後円部があり、後円部にこの石棺が南北方向に設けられてあります。
埋葬施設は竪穴式石室と考えられますが、周囲に板石が散乱しており、これらを積み上げたものだった可能性があります。
そして当古墳を特徴づけるものがこの石造物。
石棺の南北に一枚ずつ、穴の穿たれた板状の石が立てられているのです。
これが何なのか皆目見当がつかない上、このようなものは他の古墳では見られず、全く謎に包まれた遺構であると言えます。
他にも楕円筒埴輪と呼ばれる特殊な埴輪が採集されており、また墳丘周囲に板石積みが検出されるなど、極めて珍しい特徴を備えた古墳と言えます。
松岳山古墳は墳丘長130mの前方後円墳で、古墳時代前期に築造されたと考えられています。
個性的な特徴を数多く持つ当古墳は、前方後円墳が画一化される前の時代において新しい試みをアグレッシブに取り入れた古墳だと言えるのかもしれません。
現代に大きな謎を残す当古墳は全国各地の古墳ファンを魅了しています。
案内板
国史跡 松岳山古墳
境内周辺の様子
当社はやや小高いところに鎮座しているため、境内付近から南を見ると金剛山地の山々を見渡すことが出来ます。
石段を少し下りたところには御旅所がありました。


由緒
案内板
国分神社由緒
地図
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