1.大阪府 2.摂津国

住吉大社境内社 (大阪府大阪市住吉区住吉)

更新日:

お知らせ

住吉大社本社および大海神社については別記事にて紹介していますのでそちらも併せてご覧ください。

住吉大社の境内社

境内の鳥居側(西側)~南側

住吉大社の境内手前側から南側の空間を見ていきます。松林が広がり数多くの燈籠が配置されています。

 

龍社(御井殿社)

神門の手前を右側(南側)に進んでいくと右手に鎮座しています。水神である「水波野女神」を祀っています。

 

船玉社

式内社。龍社の通路を挟んですぐ東側に鎮座し、「天鳥船命」「猿田彦命」を祀っています。『住吉大社神代記』では紀伊の志麻神、静火神、伊達神の本社であると記されています。

 

市戎大国社

龍社・船玉社の南側に鎮座し、「事代主神」「大国主神」を祀っています。商売繁盛の神で、毎年一月十日のお祭りの日には大いに賑わいます。

 

御田

境内の南側にある田で、毎年六月十四日に行われる「御田植神事」の会場となります。

案内板「住吉大社の御田植」

+ 開く

国指定重要無形文化財

住吉大社の御田植

住吉大社の「御田植神事」は、「御田」とも呼ばれ、毎年六月十四日に執り行われます。

社伝によれば、神功皇后さまが、五穀豊穣を祈る為に、長門国から植女を召して御田を定められたに始まると伝えられています。現在は、前儀の粉黛式・戴盃式に始まり、本殿に於ける豊作を祈る式典に続き御田式場では田舞、神田代舞、風流武者行事、棒打合戦、田植踊、住吉踊の伝統芸能が奉納される間に替植女により早苗が植えられます。そして十月十七日の「宝之市神事」に初穂を神前に供えます。

住吉の御田植神事は昭和五十四年、芸能はもとより田植作業の全てを祭祀、民族行事として最高の“重要無形民俗文化財”に指定されています。

住吉大社

 

住吉大社の「南門」。住吉大社の中でも特に古い建築で、左右に伸びる「東楽所」「西楽所」と共に豊臣秀頼により慶長十二年(1607年)に造営されたもの。国指定重要文化財。朱塗り銅板葺きの他の門と違い、こちらは素木の瓦葺きで重厚な印象を受けます。

 

南門をくぐったところにある「石舞台」。四天王寺の石舞台、厳島神社の板舞台と並んで日本三大舞台の一つとされており、神事の際にはここで舞楽が奉納されます。南門と同じく慶長十二年(1607年)のもので、こちらも国指定重要文化財

 

境内の奥側(東側)

続いて本社の奥側となる境内の東側を時計回りに見ていきます。松林の広がっていた西側とは打って変わってこちらはクスノキが多く、しかも見事な巨樹があちこちに聳えており凛とした空間となっています。尚、東側の森へ入る門は16時で閉まってしまうので注意されたし。

 

住吉御文庫

享保八年(1723年)に書物商人が奉納した二階建の土蔵造の文庫で、蔵書は五万冊にも及び、「大阪最古の図書館」と称されています。

 

伊勢神宮遥拝所。

 

境内にある大きなクスノキには鳥居と拝所が設けられています。大阪市を中心とする各所ではクスノキに神聖な蛇がおられるという信仰が根強く、住吉大社では特に顕著に見られます。木の根元の洞に神具が置かれてあり、今にも龍蛇の類がニョロっと出てきそうな雰囲気。

 

こうしたクスノキの信仰の中でも特に著名なのが「楠珺(なんくん)社」。住吉大社の最も奥(東側)に鎮座しています。「宇迦魂命」を祀り、商売繁盛には殊にご利益があるとされ、「初辰さん」と称して毎月初の辰の日を縁日として多数の参拝客で賑わいます。

楠珺社の御神木であるクスノキは樹齢千年と言われている大変立派な木です。楠珺社の社殿とは別に、クスノキを直接拝む鳥居と拝所が設けられています。

 

高庫」。第一本宮のすぐ裏側に二棟が並んでいます。慶長十二年(1607年)に建立された板校倉造の蔵で国指定重要文化財。多くの神宝が収められていましたが、今は住吉文華館に移され、高庫は祭具収蔵庫となっているようです。

 

高龗神」を祀る「貴船社」。

天児屋根命」を祀る「立聞社」。

 

若宮八幡宮

御祭神の「応神天皇」は第四本宮に祀られる神功皇后の御子であり、住吉大神とも深い関係にあります。湯立神事が有名。

 

第一本宮と若宮八幡宮との間に「五所御前」というのがあり、玉垣の内側に杉の木があります。神功皇后が住吉大神を祀る社地をお探しになっていた時、この杉に鷺が三羽飛来して止まったのでここを御神の思召しの地として鎮座の地としたと伝えられています。玉垣内の砂利はお守りになるという信仰があり、「五」「大」「力」の字が記された砂利を探してお守りにすると霊験があるといわれています。

 

境内の北側

住吉大社の境内北側にはかつて「新羅寺」という神宮寺がありましたが、明治年間の廃仏毀釈であえなく廃寺となりました。今では駐車場の広がるやや寂しい空間となっていますが、大海神社や種貸社といった重要な境内社もあります。奥(東側)から見ていきましょう。

 

境内社が並んでいます。右から順に「新宮社」(御祭神「伊邪那美命」「事解主命」「速玉男命」)、「八所社」(御祭神「素盞嗚尊」)、「今主社」(御祭神「国助霊命」)「斯主社」(御祭神「国盛霊命」)「薄主社」(御祭神「国基霊命」)。

 

招魂社」。「諸霊神」を祀っています。この建築はかつて住吉大社神宮寺の新羅寺にあった護摩堂を転用したもので、当社に残る唯一の新羅寺の建築です。元和五年(1619年)に建立されたもので、国指定重要文化財

 

五社

神主七家祖神」を祀っています。住吉大社の初代神官である田裳見宿祢の七人の子を祖神として祀っています。

 

土御祖神」を祀る「后土社」。

国常立命」「竈神」を祀る「星宮」。

 

種貸社」。「倉稲魂命」を祀っています。苗見社とも称し、古来五穀の種を授かって豊穣を祈る神社でしたが、時と共に商売の元本の神、また子宝の神として信仰されるようになりました。毎月初の辰の日である「初辰さん」の日には最初にここへお参りするのが習わしです。また式内社「多米神社」の論社でもあります。かつては現在の住吉区長居の地に鎮座していたと伝えられ、跡地が現在も残っています

 

児安社(左)と海子社(右)

種貸社の右奥に鎮座。それぞれ「興台産霊神」、「鵜茅葺不合尊」を祀っています。児安社は縁結びと子育ての、海子社は安産の神として信仰されており、種貸社と共に育児を司る神として霊験あらたかなようです。

 

境内北側には他に「大海神社」および「志賀社」が鎮座していますが、こちらは別記事にて紹介しています。

大海神社 (大阪府大阪市住吉区住吉)

社号 大海神社 読み だいかい 通称 旧呼称 鎮座地 大阪府大阪市住吉区住吉 旧国郡 摂津国住吉郡住吉村 御祭神 豊玉彦命、豊玉姫命 社格 式内社 例祭 10月13日 式内社 攝津國住吉郡 大海神社 ...

続きを見る

 

境外社

住吉大社の南東すぐのところに二社の末社が鎮座しています。これらを見ていきましょう。

 

浅澤社」。「市杵島姫命」を祀っています。毎月初の辰の日である「初辰さん」の日には三番目、楠珺社の次に参拝する習わしです。「住吉さんの弁天さん」と呼ばれ住吉大社へ参詣する女性は必ずお参りしたといいます。

かつて浅澤社にあったという大きな池は古来よりカキツバタの名所で、いつしか池は涸れてしまいましたが近年修理により復活が叶い、毎年五月中旬には再び綺麗なカキツバタの花が一面に咲き誇るようになったそうです。

案内板「浅沢の杜若」

+ 開く

浅沢の杜若

住吉の浅沢小野の杜若 衣に摺りつけ着む日知らずも  万葉集

その昔、ここから南にかけては清水の涌く大きな池があり浅沢と呼ばれ、奈良の猿沢・京都の大沢と並ぶ近畿の名勝であった。

とくに住吉の浅沢池は、美しく咲き乱れる杜若で歌人たちに愛され、万葉集をはじめとする多くの歌集にその名をとどめている。

しかし昭和に入って「忘水」と称された浅沢の清水も枯れ、杜若に代わって明治神宮の花菖蒲が移植されていたが、平成九年地元の強い要望を受け、細江川改修の一環として浅沢に新しい水脈を加え、各地の原種の杜若を集め、ここに住吉区の区民の花の由来となる「浅沢の杜若」を復活させることができた。

いにしへを偲ぶ市民の憩いの場として、この名勝を長く守り伝えなければならない。

(財)住吉名勝保存会

 

大歳社」。「大歳神」を祀っています。毎月初の辰の日である「初辰さん」の日には四番目、浅澤社の次に参拝する習わしです。大歳神は穀物神・収穫神で、ここから転じて集金満足に霊験があるとされています。式内社の「草津大歳神社」を当社に当てる説があります。

大歳社の境内右手に鎮座する「おいとしぼし社」には「おもかる石」があります。最初に石を持ち上げ、一旦置いて願いを祈った後に再び持ち上げた時、最初よりも軽く感じれば願いは叶い、重く感じれば願いは叶わないといわれています。

 

境内周辺の様子

住吉大社の社前には阪堺電車が走っていて、鳥居の前に住吉鳥居前停留場、境内の北西に住吉停留場があります。上の写真は住吉鳥居前停留場に停車する現役最古の電車、モ161形。なんと稼働年数が90年以上にもなるとのこと。冷房が無いため夏場の運用はありませんが、冬場なら運が良ければ乗ることが出来るかもしれません。

住吉停留所の待合所。塗装したばかりで綺麗な状態ですが建物自体はかなり古いものと思われます。

また、かつて住吉鳥居前停留場の少し西側、南海電車の住吉大社駅すぐそばに阪堺電車の住吉公園停留場がありました。住吉停留場から分岐した上町線の終着駅でしたが2016年1月31日で廃止となりました。

 

住吉停留場の北側にある和菓子店「喜久寿」さん。ふっくらとしたどら焼きがとても美味で住吉名物となっています。住吉大社へお参りの際は是非。

 

南海電鉄住吉大社駅の西側には「住吉公園」が広がっています。かつてはここも住吉大社の境内でした。今では宅地が広がり想像しにくいですが、かつてはこの公園の西端が海岸線となっていたようです。

住吉公園の西側、道路を挟んだ向かい側に「住吉高灯籠」が建っています。鎌倉時代に初めて建てられたもので日本最古の灯台とも言われています。戦後に解体され基礎も撤去されてしまいましたが、昭和四十九年にコンクリート造で復元されました。住吉大社がかつて海に面していたことを偲ぶものです。

 

今度は住吉大社の東側を歩いてみると、古い民家が意外に残っていることに気が付きます。江戸末期~明治頃のものでしょうか。大阪市内とはいえ、このように古い町並みは想像以上に残っていたりします。

 

地図

大阪府大阪市住吉区住吉

 

関係する寺社等

住吉大社 (大阪府大阪市住吉区住吉)

社号 住吉大社 読み すみよし 通称 住吉さん 旧呼称 住吉四社大明神 等 鎮座地 大阪府大阪市住吉区住吉 旧国郡 摂津国住吉郡住吉村 御祭神 底筒男命、中筒男命、表筒男命、神功皇后 社格 式内社、摂 ...

続きを見る

大海神社 (大阪府大阪市住吉区住吉)

社号 大海神社 読み だいかい 通称 旧呼称 鎮座地 大阪府大阪市住吉区住吉 旧国郡 摂津国住吉郡住吉村 御祭神 豊玉彦命、豊玉姫命 社格 式内社 例祭 10月13日 式内社 攝津國住吉郡 大海神社 ...

続きを見る

生根神社 (大阪府大阪市住吉区住吉)

社号 生根神社 読み いくね 通称 旧呼称 奥の天神 等 鎮座地 大阪府大阪市住吉区住吉 旧国郡 摂津国住吉郡住吉村 御祭神 少彦名命 社格 式内社、旧郷社 例祭 10月9日 式内社 攝津國住吉郡 生 ...

続きを見る


-1.大阪府, 2.摂津国
-,

Copyright© 神社巡遊録 , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.